「おんさらいかい2022」オンライン配信型発表会を開催
見どころその1は、大人の手習い数カ月の初心者も参加した40名規模のリモートアンサンブルです。打ち込み音声一切使用しないリアル演奏をミックスしたリモートアンサンブル2曲、計3バージョンを制作しました。
見どころその2は、ひたすら生徒自身が好きな楽曲を選曲して出演した個別発表。けして先生や誰かの押し付けではない自分の思い入れの曲を弾くという、ジャンルバラバラや上手い下手が全く気にならない、音楽そのものが持つパワーを解放し共鳴し倍音を生む・・・そんな個性豊かなレパートリーでした。
見どころその3は、ドキュメンタリームービー風の短編番組を2つほど、私個人的にも初の挑戦として制作し組み込みました☆誰かが音楽を介して織りなす人生の一ページを見つけ、それを形にするという創造活動です。
森充ギター教室ICMFguitarstudioがコロナ禍で展開してきた「オンさらい会」「音叉来会」そして「おんさらいかい」は、形の上ではオンライン配信型の教室発表会であり、それ以上の何ものでもありません。
しかし回を重ねるなか、これが意味してることについて、気が付いたことがありました。少しお話してみたいと思います。
「発表会」が意味して来たものとはそもそも何?
しかし、人が一時に大勢集まってワーっと演奏して次から次へと慌ただしく交代で・・・。人の演奏を聞いてる余裕はなく、本番のミスなどやり直す余地は皆無、「せめてもう一回弾かせてよ!」なんて心の中でしか叫べない。音響は瞬く間の修羅場、つまみを一か所間違えても、誰も(演奏者はもちろん)気づくことは無い。カメラはとりあえず角に立てて撮りっぱなしでいいか・・・。
これまで発表会では、実はこういうことが起こっていたのでは無いでしょうか??
問題は、そうやって必死でやり遂げた一日限りの発表会が、何を意味し、何を残せたのか?ということです。
これまで「発表会」が発揮してきた役割・機能を振り返ってみます。
機能その1:「本番」という決定的な機会を提供する
さて、それってコロナ前の時代のような発表会だけにしか出ない感覚なのでしょうか?聴衆を前にしなければその緊張感は湧かないのでしょうか?
当然リアルの聴衆を前にした演奏は生きたコミュニケーションがダイレクトになされるという意味では全然違いますが、カメラの前でも演奏に対する緊張感が漂います。リアル発表会に劣らず不思議なほど本番感覚が湧き出るもの。ましてやリアルだからとて下手に大きなホールを会場にして観客席がガラガラな場合と、たった一人だけど目前にあるカメラでその向こうには不特定多数の聴衆と開かれたオンラインのワールドが思い浮かぶ場合と比べると・・・。カメラだけで観客がいないからと言って緊張感が湧かず気が抜けてしまうというわけでは無いことが想像できるかと思います。
さらに、リモートアンサンブルという新しいアイデアにより、合奏というもう一つの有意義な体験が可能なのは、なにもリアルだけの話ではないということが分かりました(もちろん同質の内容ではありえませんが、それぞれに独自の体験価値があると言えます)。
ということで、オンラインで収録して発表するにしても「本番」という機能は果たします。
機能その2:楽曲に「こめる」というプロセスを生み出す
曲は自分で選ぶ、好きでもない曲を自ら選ぶ人はいません、つまりあなたにとっての何か特別な大切な楽曲だということ。すでにその曲にはあなたにとっての何かが込められている、そんないわば「パーソナルソング」を生徒会員の皆さまには選んで頂き、様々な工夫をこちらも施して挑戦してもらい、仕上げてゆくという共同作業。この創造的なプロセス全体が、発表会の醍醐味であり、その機能はリアル発表会であれオンライン発表会であれ、変わりはありません。
【ブログ記事】今回「おんさらいかい2022」準備から配信まで https://icmfstudio.com/2022/12/30/onsa2022str/
機能その3:記憶を呼び起こす確実な「記録」を残す
でも写真は、あとで数年経って、大掃除なんかしているときに思わず見つけて「わぁ~!これ☆」みたいな・・・。こんな経験ないでしょうか?写真から音は鳴りませんが、記憶は目を覚ましますよね。楽しい思い出かもしれない、苦い経験だったかもしれない、あるいはとても重要な時を懸命に生きていた自分を思い起こすかも知れません。
人前で演奏するという行為で、言い換えればその音楽と楽曲を作り上げる一連の作業によって、その当時の感情や意志、思いなどをパッケージすることになるのではないでしょうか。記憶は音楽とともに脳の深い部分に確かに刻まれています。その曲1曲が、その記憶装置を瞬時に起動させるのです。
ですから、ある意味、この「写真」が残ってこそ「発表会をした甲斐があった」とも、言える気がします。写真が残っていたとしても、その時演奏した曲を思い出せない場合もあるわけで、写真までなければ尚更その1曲は忘れ去られる可能性が高い・・・。
それに対し「おんさらいかい」では、絵も音もその楽曲までもすべて映像としてパッケージ化されて記念写真のように残せるので、これまでリアルで因習的に行ってきた発表会が持っていた「記録」という機能を、まさしくMAXレベルで果たしてくれるのです。さらに、場合によってはストーリー性のある動画へ演出するという裏技も☆可能性は大きく広がります。
それが「おんさらいかい」が持ち合わせている、意味になります。
単にコミュニティの持ち味がわかるというだけではなく「軸」となるもの
リアル展開への「ホーム」
【ICMF-BigBand2022】⇒おんさらいかいでのリモートアンサンブル https://youtu.be/BfnJBZezv00
次の目標や将来どんな姿になれるのか描ける「見本」
自分自身を演奏で振り返る+レパートリー管理の「ダッシュボード」
⇒【当教室のコースを見てみる】 https://icmfstudio.com/course/