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大手楽器店教室と個人宅教室:金沢駅前大手楽器店にギターウクレレ講師として勤務した14年間

14年間の金沢勤務に終止符を打ちました!

ギター教室再始動の金沢
これまで島村楽器さんへは金沢店(金沢駅前フォーラス5階)とかほく店(イオンモールかほく2階)の二店舗でお仕事をさせて頂いてきましたが、今回2023年3月をもって金沢店のほうは退任させていただきました。家庭内働き方改革!が主な理由(ということにしておきます)です。

引き続き、かほく店では月曜と土曜にレッスンを行っております。これでリアルレッスンの教室拠点は自宅白山市松任教室と島村楽器かほく店教室となります。オンラインレッスンのほうは特に変更なく引き続き自宅スタジオからお届けいたします。

今後ともよろしくお願いいたします。

この14年間について振り返ってみる

かつて金沢片町に「ラブロ片町」というデパートがありその7階?5階?にあった島村楽器金沢店で面接を受けたのを思い出します。実際に稼働が始まる頃には既に駅前に完成したばかりのイオン金沢フォーラス内に移転、そこからの出発となりました。

7~8年かけて発表会の経験を積み重ね、集大成としてウクレレ&ギターのオーケストラを編成、また楽譜楽曲制作を覚え、楽器音響周辺のことにも知見を深めることができました。現在、白山市の自宅教室をメイン拠点としているわけですが、必要な多くの経験値を稼ぐことがお金を稼ぐ以上に意義があったと断言できます。終盤には、二回りほど若い優秀な代わりの講師も見つけられたし、たくさんの生徒さんたちが楽器を買ってくれたおかげでお店にも貢献できただろうと振り返ります。

コロナ禍では3年の間、イベントも何もなく通常のレッスンを継続するだけのもの静かな期間を通過しました。店舗の営業時間短縮の影響以外は生徒さんの在籍には特に変化がなく幸いでした。私個人としてはこのコロナの期間が、オンライン活用の大改革の絶好の機会となり、かねてからデジタル化自動化できたらいいなと思っていたことのベースラインをほぼ構築できました。Zoomレッスンを取り入れるなど島村さんとしても新しい試みにチャレンジされていましたが、目を見張るようなものはありませんでした。やはり島村さんは接客が命の企業さんです。音楽教室業界にまで〇△ラックに好き勝手させないためにも、これからも音楽価値優先で頑張ってほしいです。

改めてこの職業について考えてみる

ということで今回は、この短いようで長かった14年の節目に、この「ギター教室講師」という仕事について少し書いてみたいと思います。兼業音楽家や学生さんなど、仕事として音楽講師業に興味をお持ちの方にも参考になる内容かもしれません。ぜひ読んでみて下さい。

ギターの先生って結局どんなことをする職業?

学校の教員つまり、毎年入れ替わるたくさんの生徒に対して授業をするような先生ではありません。個別に(または小規模グループに)レッスンを行うお仕事、それがギター(ウクレレ)の先生、音楽教室の講師です。

私の例のように、楽器店に雇われた身としてその所属講師として勤務するケース、個人で教室を構えてレッスンを行うケース、基本的にはその2つに分かれるかと思います。今日ではそこにオンライン教室、というのが加わってきますが、この分野はまだ開発途上というのが妥当なのではないでしょうか。いずれにしても、楽器を習いたいと思っている人へレッスンを提供するのが主な業務となり、発表会などの教室関連イベントの運営も含まれます。もちろんその周辺の事務作業もろもろが付いてきます。生徒募集、会員管理、会計事務、等々のことです。

それでは、業界の動向なども踏まえ私個人の経験してきた内容についてご紹介します。

フルコミッション制度!?:大手であれ個人であれ教室講師という職は完全歩合

私が知る限り、音楽教室講師の給与の形態は完全歩合制です。フルコミッション制とも呼ばれる、100%歩合制。固定の給料などありません!当然ですが個人事業主として経営する場合でも、誰か生徒会員さん以外の第三者が固定収入を与えてくれるなんてそんなことはあり得ない・・・。ま、そういうお仕事です。はっきり言って、仕事で成果が出なければ収入は完全にゼロとなるリスクがあります。なお、企業が完全歩合制を採用できるのは「雇用契約」ではなく「業務委託契約」の場合のみだそうです。確かに、S社教室稼働の契約時にはそういう文言になっていたなと振り返ります。

これは収入不安定という意味ではリスクのかたまりですが、その一方で、一般企業にある「言葉なき圧力」から基本的に解き放たれたお仕事という意味ではものすごく価値が高い、と言えるかもしれません。つまり、あなたの職場でも日常茶飯事かもしれない、あの、上司の顔色だとか、社風からくる暗黙の義務、組織内の同調圧力、定時定刻強制朝礼参加、意味不明な奉仕活動、グレーなサービス残業、などの呪縛とは無縁です。

でも考えてみてください。初年度は生徒さんゼロ~数名というスタートです。ご察しのごとく生計を立てるという意味での仕事には、とてもとてもなりません。2年目3年目はどうだったでしょうか?イメージとしては稼働曜日を少しずつ増やして、週1レッスンから週2レッスンへ、そして週3、4へ。私の場合はMaxで週5でしたがこのあたりまで来るのに約7年かかりました。ようやく、ま、それなりに職業と口にできるレベルです。

ただ、この間に、自分の成長という大きなおまけがついてきます。

機械的な作業と人間味ある仕事とがある:大手楽器店教室と個人宅教室で違うのは単なる場所であってレッスンの中身ではない

人間らしい音楽ギターウクレレの仕事
委託元の企業であるS社からははじめに「体験レッスンのロールプレイ」「稼働上の事務作業の内容」についてガイダンスを受けただけです。あとは委託請負先の講師に全部お任せというスタイルで、この辺りは某大企業のY社とは違う点かもしれません。マニュアル通りに教えなければ首だとかいう世界ではなかった。いま振り返ると、それが非常に重要なポイントだった(少なくとも私にとっては)と実感します。とはいえ完全にお任せされても戸惑うのは講師の側、それでS社では講師さん同士の情報交換会を定期的に開催してお互いに学びあわせるという方法を取っておられました。特に生徒数が軌道にのるまではこの講師同士の交流の場はとても参考になりました。企業側も、講師自身の自主性を買っている=音楽家としてリスペクトしている、という姿勢を示すことを重要だと考えたのでしょう。この点、テキストや教え方まで縛ってロボット講師化のような路線ではなく人間性を重視しているという点は、とても好感が持てます。

そういった他県の先生方の取り組み事例や、自分で調べたことなど、いろんな情報を参考としながら、最終的には自力でよりよい方法やいわゆる自分の講師スタイルを作り上げてゆく、またそこに必要なスキル(私の場合は楽譜ソフトや作曲アプリ、様々なジャンルの曲を弾いたり解析したり、そして音楽を介した対人スキル)を一つ一つ身に付けてゆく・・・。そうやって道を切り開く他ない、そんな職業だと言えます。時給で機械的な作業をこなすことを仕事にしている人以外の多くの人は、分野は異なれど大方同じように創造力を働かせて日々の業務をされているのではないでしょうか。これからの時代、AIやロボットなどの進化により機械的な作業の職業はほぼ消えてゆく(人間がやらなくなってゆく)でしょうから、私のしてる音楽などような仕事は「極めて、価値高いんじゃね!?」とこの頃ふと考えてしまったりするものです。

ところで生徒募集の営業は?これはお店スタッフ側の仕事として切り分けられていました。それにより講師はあくまで音楽家という柱を守ってお仕事ができるという素晴らしさと、利益は折半するという切なさ、両者が渾然一体となっているステキな職業なんです☆そんなこともあって最初のころは、「宣伝広告何もしないで接客一本!」というS社の経営姿勢に不満を持ったりもしましたが、それもまた一つのポリシーある会社の姿として今ではリスペクトしています。

全ての人に音楽を楽しむ自由が与えられているはず:レッスンの中身は超カスタマイズというスタンス

ギター講師への贈り物
たまにしかレッスンに来れないのに辞めない生徒さんに何度となく出会いました。こちらが思う何パーセントしか教えることが出来なかったのに、別れ際にお礼を持ってこられるとさすがに恐縮するものです。社交辞令とは言え、縁起や意味を込めた感のある贈り物には、人の気遣い心遣いを感じるものです。幸いなことに音楽は全ての人に開かれています。空気と同じようなもので、いつでもそこにあります。違う点があるとするなら、それを十分に活用できるようになるために、自分自身が努力をしてゆかなければならないということでしょうか。言い方を変えれば、あなたが主役であり音楽が脇役だということです。あなたに固有の音楽というものがあるのであり、それを見出せれば、その感動は誰かの共感を得るかも知れません。

そんな音楽を自ら活用するため、楽器の演奏技術を習得したいというとき、必要な要素というのはある程度決まっているものですが、生徒会員さんの一人一人によって必要とする技術的深度も、興味のあるジャンルも、目標とする精度やパワーも、使える時間やエネルギーも、すべて異なるわけですから、全く同じ曲や方法だけで教えることはできません。ましてやその方本人の個人的な希望で何かの楽曲が話題に出たようなとき、そこにはいわゆる「パーソナルソング」かもしれないぞという思いが私としてはよぎるわけです。

100人いれば100様の色々な目的でギターを始め、色々な期待を胸にウクレレを続けているのですから、その描いてきたことが具体的な場面であれ、ぼんやりとしただけのものであれ、音楽を通して、自分の演奏を通して、実現したい何かがあるのでは?内なる心の求める先には、楽器を手にしたあなたがどんな姿で映っていますか?そんな色々な思いも、イメージも、行き着く先は一言で言って「ある曲」ということになります。

昔通勤時に毎日聞いたあの曲かもしれない、苦い思い出が詰まったメロディかもしれない、励まされたあの歌詞かもしれない、その記憶に音楽があるのであり今でも頭のどこかで突如として語り出すのではないでしょうか?それを見つけること、いっしょに弾いてみること、弾けるようにあらゆる方面から支援すること、それが私流レッスンの要だったのかな・・・今あらためてそう思います。


というわけで、私なりの音楽教室講師イメージをまとめてみました。いかがでしたか?芸術やスポーツなどのように、何かをデザインして作り出すことをぜひやってください。それが人と機械とを分ける分水嶺だと思っています。


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